#幽霊、心霊

彰義隊の墓守

小用があって蔵前まで出向いた 帰りはのんびりとJR御徒町まで歩く 上野まで抜ける間にちょっと腹ごしらえなんぞを企てる 丁度昼過ぎだし 普段食べ慣れていないモノを物色するのも悪くない・・ そうだ この辺りぢゃ昼からの立ち飲みも成り立つエリアだ 心は踊…

S君の場合

S君の彼女が入院した 大きな病気では無いのは予めに聞いていたので 何も慌てて行かなくても良いかなぁ・・ 気にはなるのだが 急に駆け付けると足元を見られるようでどうも塩梅が悪い 何やらかんやら理屈を付けていたら やっとこ病室を訪ねるまでには約一週…

夜勤の理由

私の携わっている「怪しい業務」に(前投稿参照) 同僚として実年齢よりも遥かに若作りの女性が赴任した・・ 夜勤だなんてご主人さん心配しません? いえいえうちのも夜勤なんで大丈夫です 同じ様な仕事? いいえ・・ 言うならば葬祭というか葬儀関係という…

奇妙な求人

何気に求人案内を見ていたらちょっと変わった募集を見つけた 不思議な事に内容を見ようとしても簡単に開ける事が出来ない・・ かといって募集を打ち切った訳では無さそうで 別記で携帯のQRコードでの読み取りを暗に促している・・ 別に「裏稼業」とかでは無…

事故物件

不動産屋の店長だった頃の話 因みに実話 ある朝の事 懇意にしている管理会社からFAXが届いている 空き予定物件の客付け依頼情報だ ●●から出る沿線で駅近、築二年で約30㎡ 信頼できるハウスメーカーが建てた鉄骨ALCでオートロック 当時の家賃相場で8万といっ…

好々婆

近所のこじゃれたアパートの話 現在の所へ越して来てから 毎朝位に見掛けた「一大イベント」 明るい一階の角部屋からお婆ちゃん御出立のお成り 年齢はもう誰が見たって 90オーバーエイジ 玄関側に何の不都合があるのか知らないが 必ずベランダ側からご出発…

ふぅちゃん

もう50年も前の話 家業の関係で一時期 東京から横浜、横須賀までを転々とした 横浜のはずれは当時ベッドタウンでもあり 都内山の手の感覚でも 人付き合いには何の不具合も感じる事は無かった 所が 横須賀の近郊は様子が違った 海が臨める地域だった事もある…

鬼ちゃん

それはまだ 母が生きていた頃だったから 40年以上も前の話だ 母から貰った細工物は つぶらな可愛い目をしてはいるが 小さな口の端には牙らしきモノ そして頭の天辺にはあきらかな角があった また鬼? お客さんから貰ったんだって ホントに鬼ばっかしだね・…

幽霊の始末書

茅ヶ崎駅でエライ事になってますなぁ (何だか判らない方は茅ヶ崎駅、子供で検索) 「線路内に人の立ち入りがありました」と 確かに車内放送があったそうで_ 2年前の同日に 構内でお子さんが亡くなっているとニュースにもなってましたが 話が出来すぎて言うよ…

訪問者

私は夜勤なので 一般人とは昼夜逆転の生活をしている 午後の3時頃・・ それは正しく私にとっては「深夜」であり 4年前の3月11日の3時頃とは 大揺れのテレビを抑える為に ベッドから飛び起きた時間泰でもあった ・・・ 昨日のまだ午前中 眠りにつく直前に「…

自動ドア

深夜のカスタマー数人が 松屋のテイクアウトで「ガリチキ」なんぞを食べたもんだから・・ 途轍もなくフロアが臭い もう丸でガス漏れ状態に匹敵となった ちょっと暫くの間 電気全部消して良いですか~? ??? あ~臭いから窓全開にします~ 蚊が入って来る…

来訪者

娘様は 当初の予定より早く友人の那須の別荘へ行った mamaちゃんは 銀座の「俺の揚子江」へ旨いものを漁りに行った だから至極の静かな夜は 久し振りの床屋さんで 「ネズミ仕様」全開のう~さんといつもの様にお留守番 ちょっと面妖なのは 今日に限って何か…

立ち尽くす女

あれ・・? 靴下もうダメねぇ 明日ちょっと見に行ってみようか・・ うん・・! 嬉々としている娘は 折角行くんだから ちょっと可愛いTシャツ位はついでに買って貰える事を知っている それに引き換えmamaちゃんは・・ もういなくなってるといいけどなぁ。。 …

赤ちゃんはどこに?

先週末の今頃の事 どこからか ほやほや・・と赤ん坊の泣き声が聞こえて来る・・ ちから無い泣き声は 生まれて10日位だろうか? それは一晩中起きていた私を 別に煩わせる訳でもなく どこか近所で赤ん坊が生まれたみたいだよ・・ mamaちゃんに「報告」した…

トイレは禁煙

あの~ お忙しいところを申し訳ありませんが ちょっと相談なんですけど・・ ~ん? 会社の構内の二ヵ所を 「喫煙場所」に限定しているせいか 最近深夜にトイレでタバコを吸うヤツがいるようで・・ うんうん成る程 場所によっちゃ50m以上離れてるからナァ・…

心が震える事

研究と言うにも恐れ多い 探求に例えてはそれこそ責任感が無い・・ そう・・ 探究心と好奇心の間位に『位置付け』して頂くと 爺は気が楽なんである。。 が ソナーという物がある 音声や超音波等の各種変遷はあれど 基本的には変わりは無い 大戦前より使用され…

póʊltɚgὰɪst  余話

前出のW君の話 『騒擾霊』の件以外にも 泊まりに行った理由があった それは夥しい数の戦時中と思われる写真の束 白黒の写真で殆どが真四角の当時モノの あちこちに笑顔を見せていたのはW君の父親だった 戦闘帽で肩を組んで笑っている・・ 戦友同士であろう2…

póʊltɚgὰɪst

あれはもう40年程も前の事 高校の同級生 W君の家は渋谷の外れにあって 度々バイトの『渋谷の雀荘』帰りに泊まりに行ったりした 雀荘は客さえ居れば商売だもの 朝までの隠れ営業は厭わないのだが 泊まる約束の私は深夜訪問の『ご迷惑』が少しでも緩和される…

『休憩所』

もうずいぶん昔の話だ Y君の友人が引っ越しをした 安下宿を移っただけだから大した事では無い 大学からはずい分近くなったので これからは翌日を気にしないで酒が呑めるぞ っとまぁそんな具合 今度は大家は近くに住んでいないらしい 今までみたいに怒鳴り込…

不思議な事

迷ったけど遺して置こう 別に大した事ではない 何せ恐怖は全く感じなかったのだから 引越しが決まったのは『X-DAY』より一ヶ月前 ゆるゆると準備が始まるのをウニ(駄犬)は怪訝そうに見ていた 何が変わったかって? 大っぴらに吠えるようになった事 まるで …

自販機

夏の盛りは過ぎたので既に『旬』の話ではない 然しこの夏 『件の場所』を何度写真に撮ろうと思ったろうか。。 出勤途中の『古刹』の杜に近く 暗い夜道を何度か曲がると小学校が見えてくる 昼間は子供達の喧騒に溢れているであろうその一画は 日が落ちた途端…

キジムナー

私はカジュマルが好きだ 何度も枯らしたけれど懲りずにまた買ってくる 今のはサボらずに手入れをしているので 結構元気な状態だ。。。 然し・・・ 所で駄犬ウニ(トイプ)の仕事は 我が家の建物内の『治安維持』 武力攻撃予測事態における『先制的自衛権』も…

深夜の会社のトイレ

あーいそがし忙しいぃぃ・・・ふりっと! あはぁぁ やっとトイレタイムよぉ っとぉ ・・・ あれ?誰か入ってきたの・・夜中の2時なのに? ・・だれ? ・・・ ・・・ どうせ車で墜ちてたダメdrだろ? ・・図星だろ むふふ ・・・ やっぱ手ぇ洗わないで出てぎ…

不思議な話

知恵袋に投稿して頂いた話 (著作権放棄承諾済み) 私が小さい頃、家族で体験した恐いというか不思議な話ですが。 夜中、みんな寝ている時間に玄関の戸をガンと叩く音がしました。 (古い家だったので玄関の戸が引き戸のうえチャイムがなかった) 祖母がすぐ…

こんな夜だから・・

日暮れとともに風が強くなったようだ 垂れ込める密雲は荒れ模様を予感させる・・ どんな天気だろうが私は変わりなくご出勤 重い心で重いペダルを漕ぎ出す・・ 向かい風に逆らいながら緩やかな坂を上っていくと やがて国道との交差点が見えてくる 停止線には…

因縁

例によって大した話ではない 母がまだ鬼籍に入る前に私に話してくれたちょっと昔の因縁話 話の内容から言って 私の親戚ではあっても多分に血の繋がりは無い・・と思う さてその家の兄弟達は揃って学業が優秀 (ほ~らね・・だから血の繋がりは無いって) 上…

くぐもった声

あれから10年は経ったろう その晩の私は店頭公開を控えた会社の脆弱な管理部門を立て直すべく 部下と東京北区のとある倉庫に泊り込みを余儀なくされていた 張子の虎の如く ようやく見た目だけの格好が付いたのは もう深夜3時を廻った位 証券会社の監査の…

夏の幻

例によって大して怖い話ではない 私は子供の頃に妙な勘が強かった ほぼ確実に当てられる『ある予想』に母も注目し 事或るごとに私の『先読み』を聞きに来たものだ 私の『お告げ』に一喜一憂した母は 自分も変な勘が強かった事を思い出した 私のも大した事じ…

タクシーの話

大した話ではない もう30年も経つだろうか 当時まだ20代前半だった私は まさか経営者の謀略とは全く心得ず 『営業部長』とたった4文字を追加印刷された名刺を持って 都内を獅子奮迅の如く駆けずり回っていた 経費で落ちないタクシー代は日に約8,000円 正し…

最上階の恐怖

S君が父親の仕事の都合で引っ越した 神宮前の社宅から 中目黒の川沿いのマンションの最上階へ 13階じゃさぞや眺めは良いんだろうね 廻りも高層だからそれ程でもないなぁ 羨ましいなぁ今度遊びに行くよ 待ってるよ 然しこちらもそんなに暇人では無い 気軽に約…