怖い話

夏の幻

例によって大して怖い話ではない 私は子供の頃に妙な勘が強かった ほぼ確実に当てられる『ある予想』に母も注目し 事或るごとに私の『先読み』を聞きに来たものだ 私の『お告げ』に一喜一憂した母は 自分も変な勘が強かった事を思い出した 私のも大した事じ…

タクシーの話

大した話ではない もう30年も経つだろうか 当時まだ20代前半だった私は まさか経営者の謀略とは全く心得ず 『営業部長』とたった4文字を追加印刷された名刺を持って 都内を獅子奮迅の如く駆けずり回っていた 経費で落ちないタクシー代は日に約8,000円 正し…

最上階の恐怖

S君が父親の仕事の都合で引っ越した 神宮前の社宅から 中目黒の川沿いのマンションの最上階へ 13階じゃさぞや眺めは良いんだろうね 廻りも高層だからそれ程でもないなぁ 羨ましいなぁ今度遊びに行くよ 待ってるよ 然しこちらもそんなに暇人では無い 気軽に約…

ラップ音

暫く前にamazonで買い捲った『怖い話』系短編集は 私の手元から殆どがmamaちゃんの手に渡り mamaちゃんが読み切るとその同僚に渡り・・で 会社では皆様の良い暇つぶしになっている様子 (同じ会社) ドコで読んでるの? Sマートの前(元社員食堂) ふーん …

無題

協力会社のドライバーMさんが客先で倒れ亡くなった 53才とまだ若い・・脳溢血だったそうだ 台風の気圧のせいか頭痛を訴えていたとか・・ 所でMさんてどんな人だったっけ? (同じ名字の人が3人いる・・なにせ協力会社だけでも200人以上) ほら背が高くてい…

シャーマン

ウインドサーフィンを一緒にやっていた友人のK君は 幼少の頃から兄貴に頭が上がらない 私とて初対面で 『いい年してくだらねー事やってんじゃねーよ!』 いきなり言われてしまう体たらく 話には聞いていたが年上だろうがお構い無しで 容赦なく人生の忠告を言…

奇妙な事

先日の朝の勤務帰りでの事 普段渡る国道の信号都合で一つ先の押しボタン信号へ 通勤時のだらだら渋滞はいつもの事 合流からのT字交差点の信号が変わる・・ 今や渡らんという時に右目前の停止線を ずるっと行き過ぎて軽車両が停まる・・ ふと見やると前部座…

怖い話

高校時代に華僑の学生との付き合いが不思議に多かった 特にフー君とは家が近い事もあり 集まっては麻雀なんかをよくやっていた ある日フー君がため息をついている・・ 買って半年のテレビが火を噴いたらしい れっきとした日本製なのだが・・ 電気屋さんが慌…

怖い話

ちょっとした仕事中の気分転換には短編集が良い こんな本を読んでいるとふと思い出す事もある 本当に怖い話に遭遇すると深夜のオフィスでも助長されて後悔する破目になる・・ 30年も前の話 当時通っていたオフィスは東京の中心地 地価は高いくせに駅から離れ…

有閑夕夢

それはそれは昔の話 母はたまに変なモノを買って来た 好きでしょ? 買い物籠を持った逆手に抱えていたのは『長物』 よく見たらライフル銃? 古道具屋さんでね・・ 本当は古い空気銃のようだがちょっと見た目は立派なライフル銃 私がどっかから手に入れたライ…

だれ?・・

夜勤はお気楽である 人間関係やらの面倒臭さも無いし 先に手回しして物事をこなしていれば文句も言われない 課題は睡眠時間の確保 一年で一番麗しいこの時期は私にとっては地獄の季節 窓も締め切りはアチーからちょっと開いている 3時も過ぎれば路地は子供達…

『赤いヤッケの男』+α

会社のオフィスは午前3時をちょっと廻った位 節電の為、仄かに点いている灯りは私の所だけ (後は真っ暗ね) 満を持して『丑三つ時』を待ってバッグから取り出したのは『赤いヤッケの男』 短編を3~4編 中々良いシチュエーションで★★★☆ (3.5 まぁ実話であっ…

ちょっと怖い話②

彼は輸入雑貨商を商う10年来の知人 単独山行の1泊予定で北アルプスへ赴いた 泊まったのは2500m辺りの某『避難小屋』 築も10年以内で新しい その晩のお泊りは彼1人 灯りを消して眠ろうとすると・・ バン! ギシギシ! まるで何かを引きずるような音を含めて …

ちょっとだけ怖い話

小学校に入った頃 母の仕事の都合で横浜の郊外に住んでいた時期 今は全く面影も無いが 山野に緑がとても深かったのを憶えている それは決まって私が1人でいる時におきた 例えば母にお使いを頼まれた時 傾きかけた陽の影を気にしながら 僅かな時間を友人と過…

『黒部の山賊』 珠玉の内容に星五つ

届いた本と『伊藤正一』さん直筆のご案内 (家宝にします)・・笑 内容評価は★★★★★にて満点花丸 寝不足なのに一気に読み尽くし 最初からまた読み返している始末 (223p中距離本) 題名を飾る『山賊達』の超人的日常 語られる真実の内容は素晴らしい世界と隣…

『黒部の山賊』 入手確定!嬉嬉至極

この本はとても欲しかったのである 最初は気楽に検索していたのだが ヤフオクでも稀に出品されていればプレミアが付いている・・ アマゾンを覗いてぶったまげる ナント\1,200かそこらの本が 中古で\8,500~¥29,800という凄まじさ 一気に入手本能に火が付い…

『断腸の慟哭と嗚咽』  あれは何だったんだろうか・・?

夏は終わりの筈だがまだまだ暑い・・ 時期外れだが久しぶりで怖い体験談 (大した事無いぞ! まだ景気がそんなに悪く無い頃の話だ 30代中盤から始めたウィンドサーフィン 会社の部下を強制的に引き込んだ事もあって 総員ヘタクソながらもそこそこのメンバー…

元キャンプ場から連れ帰った霊② 考察編他

おっかない話は訪問者カウントが増えるのである・・(笑 前回の元彼女の話は私への手前 元彼を兄貴に置き換えたのかもしれない 然し元彼女の霊感の強さは判らないが 別の話からも『引きの強さ』はあるのかもしれないとは思っている 今度の場所は『鎌倉幽霊ト…

元キャンプ場から連れ帰った霊

久しぶりにちょっとだけ怖い話 以前に元カノから聞いた話 秋深いある日の事 彼女は以前から計画していた一泊ドライブ旅行に向かうべく 兄貴と一緒にキャンプ道具を車に積んで出発した 道が混む事も無く順調に車は進む その晩の宿泊地であるキャンプ場に着い…

新婚を襲う『黒い影』

不動産時代の話 今回はスタッフの遭遇話 T君は私の当時の部下 『体育会系無神経男』だ 彼女は看護師である 彼には似合わないかなりの美人 ある日腐れ縁の様な長期のお付き合いがちょっと危険な様相となった 彼女がお勤め先の『先生』に見初められたのだ 流…

幽霊が平気な女子高生

不動産屋時代の話 秋も深くなってきた頃 ヒラヒラと来店したのは制服の女子高生2人連れ 見たからに『営業』にはなりそうも無いが こちらもマッタリと暇である バルコニーの鳩を見ているのも飽きてきたのでお相手つかまる事にする 開口一番 自殺した物件って…

『墓場』からのテイクアウト

以前に友人と2人で飲んでいた時の話 はははは・・ 友人がいきなり思い出し笑いを始めた どうしたの? この間さぁ じいちゃんの墓参りに行ったんだけど・・ (彼の一家は毎年勤勉にお盆に墓参する) 俺ってさぁ いつも墓参りは『暑いな』以上の感覚を持ったこ…

『幽霊出現』に一晩で解約の物件

不動産時代の話 彼は若い会社員 就職に併せて会社の近くに引っ越したが 同じアパートの学生による毎晩の『ドンチャン騒ぎ』に耐えられず 防音性の高い物件を所望 それならばと 分譲価格3600万という今では考えられないような部屋を紹介 家賃は管理費込みで6…

階段を上がってくる霊

不動産屋時代のちょっと怖い話 爽やかな初夏の兆しが色濃くなって来た頃 窓越しに青空を眺めていた私の元に彼女はやって来た・・ 大学を出て2年 男子校の英語の先生をしているそうで 理知的な顔立ちはとても爽やかな美形 まるで季節を反映しているような面持…

土下座のお願い

不動産屋時代(賃貸)にはお客様から度々不思議な話を聞いた 主に『引越しの理由』に纏わる体験談だが 部下のスタッフ全員も慣れたもので特に大騒ぎになる事も無かった 特筆すべきは別に恐怖を感じているのでは無く ただ『うっとしいから』という人も多かっ…

枕元に立つ血まみれの『甲冑武者』

『彼』は当時私の大事なお客様 縁あって私の住んでいたマンションの一室を紹介 警備会社の重鎮で朝7時に出勤なのに 毎日3時過ぎには起床するという 超『重要文化財』的真面目人間 殆ど朝帰りの毎日だった私と全く逆人間と言えた (もう電気が点いてら!偉い…

見えない女性との『同棲』

あれから20年程は経ったかな 当時私は2度目の独身時代 頼みもしない『独身供戮寮擇坦櫃韻鮑遒辰討れた『女子大生』は布団まで買ってきて 必然的に同棲生活状態となっていた 音大生だったので イタリア語と英語を発音を含めて覚えなければいけないのだが ど…

バレーボールの観戦者

娘が2才の時だ 嫁さんのバレーボールの練習でちょっと離れた中学校へ行った 娘は当時『暗い所』が大好きだった 『子宮帰り』なのかいつもなぜか暗い所ばっかりに 私の手を引っ張っていく・・・ その日は何故だかお気に入りの『真っ暗な踊り場』や 『真っ暗な舞…

駐車場の『彼』

隣の『駐車場』が整備されて『地鎮祭』が行われた。 アパートが建つようだ あれ? 嫁さんが不思議そうに言う いつも立っていた『若い男の子』がいなくなったそうだ 夜帰ってくると 決まった場所に『彼』は立っていた 別に悪さをするでなく只じっと立っている…

深夜のオフィス・・

二足のわらじを履いている 一足目は自営だが不景気のあおりもあり 大した収入は見込めない 二足目は『寄らば大樹の・・』の例え如く大手企業のお手伝いだ ちょっと説明し難い仕事内容だが端末の管理及び整備といった所かな 深夜も午前2時過ぎるとさすがに眠く…