幽霊が平気な女子高生

不動産屋時代の話



秋も深くなってきた頃

ヒラヒラと来店したのは制服の女子高生2人連れ

見たからに『営業』にはなりそうも無いが
こちらもマッタリと暇である

バルコニーの鳩を見ているのも飽きてきたのでお相手つかまる事にする


開口一番


自殺した物件ってありませんか?

(言った後に2人でさんざめく笑い出す・・)


そんなのは狙ってもめったに出てこないねぇ・・


それなら幽霊の出る物件!

(話をかわしたつもりが意外と強敵である)


どうしてそんな物件が良いの?


だって安いんでしょう?
月2~3万で借りれるなら学生入居シーズンより前に借りておきたくて・・


仕方が無いので後学の為に一般論を説明する


幽霊は一般社会に於いて認められている現象じゃないし
自殺者の出た物件も『特殊物件』に分類されるけど
いい所で賃料相場の3割引きが妥当な線だよ・・


・・・

安い『借り置き』がダメと解ったら今度は一気に自分の体験談を開始



今親とすんでるトコさぁ・・

変な職人のおっさんの幽霊が出るんだよね
(暫く2人で大笑い)

顔のここん所にでかいホクロがあってさぁ・・
(私も釣られて3人で大笑い)

いつも隣の部屋から覗いててキモイったらありゃしないんだよね

後2~3人は度々見かけるんだけど
(おいおい)

このおっさんたら間違いなくストーカーなんだよね覗き方が・・
(暫く3人で爆笑)


そうそう・・

最近妹が部屋のベッドの位置を変えたんだけど・・

どうも『霊界』との出入り口っていうのかな?
毎日とんでもない物を見だしちゃって・・

今日も明け方に廻りがうるさいんで目が覚めたら
どっかの兵隊さんの大きな葬式の真っ只中で(写真が軍服)
読経の声と線香の煙でその後も寝れたもんじゃ無かったんだって

・・・

それってヤバイんじゃないの?(私)


へいき平気!
だって本人面白がって報告してくるもん!


・・・


私にとっては段々話が笑い事では無くなって来たのではあるが・・


結局乙女達は散々其々の『霊体験』に笑ったあげく
2時間後には来た時の様にヒラヒラと帰っていった・・




その後学生シーズンになっても彼女達は再び現れる事は無かった・・