見えない女性との『同棲』

あれから20年程は経ったかな

当時私は2度目の独身時代

頼みもしない『独身供戮寮擇坦櫃韻鮑遒辰討れた『女子大生』は布団まで買ってきて
必然的に同棲生活状態となっていた

音大生だったので
イタリア語と英語を発音を含めて覚えなければいけないのだが
どう見ても『勤勉』なタイプではない‥

私が出勤する時には大体寝ている‥

夜帰ってくると彼女はいない‥

どこへ行ったんだろうと思っていると
ふらっと帰ってくる

なんでいつも家にいないのか聞いたら
部屋で『女の人』がじっと見ているからだそうである

私がいて3人状態なら
あまり気にならないのだけれど
『彼女』と2人きりでいるのはいやなのだそうだ(わたしもいやだ)

その後『音大生』とは縁無く別れた

ある晩いつものように会社のメンバーと飲んだ後
なんとなく我が家に4~5人が流れて泊まった
中の1人が朝方まんじりともせず起きている‥

昨晩したたかに飲んだ筈だ‥

どうしたの?

聞いてみると
女性がじっと見ていて眠れなかったそうである

そうなのか
やっぱり私は見えない『女性』と『同棲』しているのか…

その後数年でそこを引き払った


件の『音大生』は私のjazz好きが影響して現在『歌手』なのである‥が
話はまだ終わらない…

当時『音大生』と暇を見てスロットをよくやっていた

10ヵ月で600万も勝ったのだからほぼプロ級だ

スロット店の閉店後にいつも『飯』を食っていた居酒屋があったのだが
そこも『閉店間際』で照明が殆ど落とされている…

従業員の『賄い飯』がお目当てなのだが
『音大生』は1人ではトイレに行けない…

ここにも『我が家』の住人と違う『女性』が暗がりに立っている(のだそうだ)

その後この店はオーナーが変わり大改装
先代のオーナーから紹介されて私はここでも『馴染み客』となったのだが

ある日『新オーナー』から相談を受ける

昼間の早番スタッフ全員が『女の幽霊』をほぼ毎日見るそうだ
仕込みや掃除をしている時に『彼女』はいつもスタッフの邪魔をするらしい

遅番は客がいっぱいで中々気付かなかったようだが
その後オーナー以外の全員が『存在』を認識してしまった‥

数千万円の投資で特にカップルに流行っていた店だったが
女の『幽霊』が原因で閉店に追い込まれてしまうまでに
そんなに時間は必要無かった

因果なその場所は『jr中央線中野駅に程近く
現在はコンビニになっている…



明るい照明の店内…
快活な店員の笑顔をガラス越しに見ると
思わず『余計な事』を聞きたくなってしまうのだが
私は決して店に入ったりはしない…

『彼女』が『元馴染み客』の家に着いて来てしまう可能性が
全く否定出来ないからである…