新婚を襲う『黒い影』

不動産時代の話


今回はスタッフの遭遇話


T君は私の当時の部下
『体育会系無神経男』だ

彼女は看護師である
彼には似合わないかなりの美人

ある日腐れ縁の様な長期のお付き合いがちょっと危険な様相となった
彼女がお勤め先の『先生』に見初められたのだ

流石に慌てた『無神経』は強攻策に出る
要は彼女を強引な『精神力』で妊娠させてしまったのだ
(そんなのどうでも良い話だが・・)


私にとって『面倒』な新婚の2人は新築のコーポの2DKを借りた


所が・・・


『無神経』君たら部屋に何か居るとか言い出す・・

ただでさえ不意な『お祝い金』で頭に来ている私に盛んに相談を持ちかけてくる・・

毎晩寝付いた頃に体が膠着するという
(金縛りって言うんだよ!)

時々首を絞められたりもするという
(医者と結婚できなかった隣の嫁さんだよ!)

嫁さんは何にも感じないのだという・・
(別の意味じゃないようです・・あしからず)


そしてある晩・・

件の件で暗闇は怖いので小さな豆球だけ点けていたら
部屋が見る見る暗くなっていく・・・

天井を見ると黒雲の様な物が湧き出している・・
天井いっぱいを覆ったと思ったら
黒い糸の様な物が顔目掛けてゆっくりと降りてくる・・

体はとっくに動かない・・

嫁さんは隣で何も無いように寝息を立てている・・

息が出来なくなり意識が遠くなりかけた時・・

嫁さんに体を揺すられる・・・


『どうしたの?・・』



結局『管理会社』に申し立てるのは私の役目

当然の如く一笑に付されて相手にされない・・


『無神経』君は仕方が無いので契約金を放棄
次の『賃貸物件』に引っ越したのだが・・


その後はどうだ? (私

何のことですか? (無神経


どうもその後は何も無い様である
然し新築物件でも『現象』は起きるものなのかね・・




相手が『無神経』なだけに
尚更リアルに真実性を感じるのであった・・