何の役にも立たなかった『超能力』
30代に入った頃まで変な『能力』を持っていた
時間を気にすると時計が止まってしまうのである
(或いは遅らせる)
大方が急いている場合が多かったと思う
周囲の腕時計を一時間遅らせた事もある・・
筆頭被害者だった赤提灯の場合
閉店時間が0時だったその店へ
仕事帰りの私が駆け込むのは大体23:30頃
ちょっとだけいい?
いーですよー!
所がいくら駈け付けで飲んでも時間が進まない
店の時計ではまだ23:45を過ぎたばかりなのに
私はもう呂律が危なくなっている・・
あっ・・・! やられた! また時間を気にしたでしょ!
ちょっとだけ・・
点けっぱなしのtvではとっくに0時過ぎの深夜番組を流しているのに
店の時計はやっと23:50を廻ったばかり・・
また電車無くなっちゃったよ・・
(マスターは閉店後最終電車に駆け込む)
えへへ・・ごめんね
仕方ないから今日は終夜営業ね!帰っちゃだめだよ
・・・
然し何故私が謝ってるのかって?
私が行かない時には決して店の時計が止まる事は無いんですな
逆に私が行った晩は8割方以上時計が止まったり遅れたりする・・
電池を換えようが時計自体を新品に換えようが全く効果は無い
不思議なのは
私の仕事が暇な時期には店へ来る時間も早くなるので時計への影響も殆ど無くなるのだが・・
繁忙期にはまた頻繁に止まったり遅れたり
(必ず23:30を過ぎるとね)
マスターは未だに現役で市谷で提灯を出している
私もごくたまに顔を出すのだが・・
いやーこの人にはよく店の時計を止められましてねぇ
・・・・?
当然他のお客さんには理解できる筈も無く
2人で当時を思い出して大笑い・・
然し今思い出してみても
全く何の役にも立たん『超能力』だったなぁ・・
ちょっと余分にお酒の時間が増えた位?
然し実はね2度程ね むふふ
まぁこれは人にはちょっと言えんなァ