手食
手食文化圏は世界の44%を占めるそうだ
残りの箸圏とナイフ&フォーク圏は30%弱で丁度半々位らしい・・
新宿の高層ホテルの中にある高級インド料理店に
繰り出した人の話を聞いた
たまには本格的なカリーを・・
初めて訪れる店に戸惑いながら入ってみる
まずは無難なコースをオーダー
ランチの時間帯を過ぎているせいか彼の他に客は誰もいない
香り高い香辛料の匂いは今日の選択が間違っていなかった事を彼に告げている・・
やがてエキゾチックな顔立ちの女性がにこやかに微笑みかけながら
小皿に盛られた数種のカリーとナンをテーブルに並べてくれ
ちょっと会釈をすると奥へ下がっていく
広い店内には彼と待望のインド料理だけの至福な時間
所が気が付くとナイフとフォークが無い・・
他に客がいないとは言え
大きな声で店の人を呼ぶのは憚れる
立ち上がって呼びに行くのも何かちょっと・・
まてよ・・
これは手で食べるのが正当な食し方ではないのか?
ちょっと迷ってから彼は意を決して食べ始めた・・もちろん指先で
やがて2~3組の客が店に入って来た
手馴れた様子で其々がオーダーを済ます
(お馴染みさんなんだな・・)
何となく目線を感じながらも
彼は料理のおいしさを裏付ける『常連客』の登場がうれしくなった
やがて彼らの料理が出てくると・・そこには・・
・・・・
オチは残酷でも紛れも無い実話です
実は私もインド料理は指先で食べていた時期がある
浅草のすし屋通りにあるシャゴリカの店長さん
チリビールを何本も煽りながらインド料理を食べる変な日本人が気に入ったようである
カラダノ二ワルイヨ・・コワレルヨ
人の体を気遣ってくれるのかと思ったら
頼んでもいない激辛カリーを出してくれたりする・・
ユビデタベル・・オイシイ
ひーひー言いながら何とか食べ終わると目を丸くして
インドジンデモソンナニカライノタベナイ
要するに遊ばれていた訳だが手食はそこで覚えた
指は右の内側3本しか使ってはいけない
これがなんと指先が味を感じるのが分かるのだ
とっても不思議な感覚ですがチャンスがあったら皆様どうぞ
(手がべたべたびちゃびちゃになる・・)