母の戦争体験① spyは死刑・・

母は戦争の話をする時に『さきの大戦』と言った
そのイントネーションのリアルさに小学生の私は身が震えた・・
 
各国の大使館の電話盗聴を行っていた母はある日異常に気付く
中立国の大使館員達がある日を境に一斉に『疎開』してしまったのである
案の定間髪を入れずに山の手大空襲が始まった
戦後のspyとしての戦犯追及を恐れた母は
戸籍を戦時不明者の物とそっくり入れ替えた
 
盗聴時のハウリングで片耳が聞こえ難くなった母は
私が小学校の頃まで違う名前と生年月日でした。
(学校提出書類で不審に思った私に話してくれた
 
過日の『終戦記念特集』への投稿です
 
孫への伝承になればと思います・・・南風蔵