夢のお告げ

『昭和の犯罪史』を読んだ



殺人事件の被害者の家族3人に同じ『夢のお告げ』があり
加害者の潜伏先が絞られた事で早期逮捕に及んだ話が出ていた
後にアメリカ当局からも捜査についての『調査』があったそうだ・・・


『夢のお告げ』・・・か 思い出した事がある


あれから20年も経っただろうか


K君は当時私の同僚だった
その日はつまらない『やっつけ仕事』の為
土曜日に関わらず出勤を余儀なくされていた


『昨晩は参りました…』

『どうしたの?』

母親が夜中に血相を変えて電話をしてきたのだそうだ

聞けば夢に前年に急死した長兄が出てきて
必死に訴えかけてくる・・・

『日曜日は3-8だからね!』

K君に母親が電話して来たのは
『3-8』とは何だろう?という事だったのである

そりゃ普通に考えれば『競馬でしょう』という事なのだが
お母さんたら競馬が全く判らない・・・

日曜日の中央12レース全部と
万一という事で新潟全レースに
かき集められる家中の金を全部つぎ込んだのだのだった・・



・・そして日曜日の夕方

私は二日酔い気味の頭を抱え
ぼんやり夕方のニュースを見ていた・・・

『今日珍しい事が起きました』

にこやかに笑う男性アナの後ろに
疾走するサラブレッド達・・・
そして『電光掲示板』

『なんと同じ目の馬券が続発しました・・・』

まさしく前日の朝にK君が言った3-8!

ダメ押しのようにアナウンサーは続ける

『新潟でも・・・3-8が!』


月曜の朝


K君は全く購入していなかったばかりか
1千万円以上の儲けを手にした母親にしこたま怒られて凹んでいた・・

折角教えてくれた『長兄の情報』を信じなかったからだ・・・



然し『当たって当然と思っている親心』とは如何に・・


注)(3-8の目は記憶違いかもしれないが『お告げ』の目が多発したのは事実)


衝撃の『夢のお告げ』の思い出である