イミグレの恐怖 続編

前回のつづき


イミグレでトラぶっていたというのに
同行者たちは全く知らん顔で待っている・・・

もう少しで『空港生活』にもなりかねなかったというのに(おおげさ!)
誰ものぞきに来ないとは薄情者達である

やっとこバッグを床に置き移動バスを待つ

そこへポインターらしき大型犬が制服の男性を引きずって登場

一仕事終えてちょっとその辺を気晴らしに・・・といった風情だ

この犬ったら『観光客』のバッグを一つ一つ順番に嗅いで廻るのだが
『制服』の男性も止める訳でもなく犬にお任せといった微妙な雰囲気

入国後に『麻薬犬』もあるまいとも思ってもみたが
中々退場しないのも訳があるからなのか・・・

とか思っていると今度は『私』のバッグの番だ

ちょっと鼻面をつけて次に行きかけたかなと思ったら
グイッと『制服』を引っ張って私のバッグに戻る・・・

今度は本格的に腰を据えてかぎ廻る・・・
ついには鼻でチャックを開けようとし出す始末

『制服』は笑い出す・・・

『観光客』も『同行者』も笑っている

『笑い事』ではない私・・・

でもどう考えても自宅では『ガラム』か
せいぜいちょっと怪しい『インドタバコ』位である


『犬』は私のバッグがとても気に入ったようだ

完全にまぶりついてしまい離れるつもりは金輪際無いように見える
その後いい加減に飽きるまで私のバッグは弄ばれた・・・

よだれだらけのバッグを抱えてバスへ・・・

私は『災難続き』を呪った



【情景変わり成田空港 バッグが流れてくるコンベアの前】


同行者達のバッグが真っ先に出てきた

ついている!
これだったら早く帰れそうだ! と思ったのだが・・・

私のバッグだけ出てこない

時間は過ぎ
廻りには同行者達だけ
もう誰のバッグも流れていない・・・

と やっと出てきた

最初と最後だなんて・・・
ここでも『麻薬犬』に引っ掛ったのだろうか?



同行者がポツリ

『このバッグでは海外に行かない方がいいよ』



『激しく同意!』