イミグレの恐怖

長ーーーい搭乗が終わるとやっとイミグレ(入国審査)だ


善男善女が期待に胸を脹らませて整然と並んでいる…

この手間さえ越えればやっと一息できる

ほんのり香るバニラwaxの匂い…

面倒で無さそうなブースを探し見渡すと『紅毛碧眼』の美女がいる
その割には列の『濃度』が薄そうである

男だもの当然そこへ並ぶ

所が中々進まない…

訝しく思いながらも美人の対応に期待しながら我慢する

あと少しで『私』というあたりでちょっとした『異変』に気付く…
どうも金髪美女ったらとても機嫌が悪いのである…

『善男善女』達に色々難くせを付けている
やばいと思ったが今更他へ並び直す気力が無い

そして『私』の番…

ちらっと一瞥 『何日の予定?』

驚く事に流暢な日本語である

『5日程…』

『英語で答えろ!』

だってあなた日本語で聞かれりゃ日本語で答えるでしょうが…

渡航の目的は?』

『斉藤寝具店』…
と後日の『飲み屋ネタ』にするつもりで答えようと思ったが
これは冗談は通じないらしい…

『さいとしーん』

今度は思いっきり『ガン』をくれながら畳み掛けてくる…

『帰りのチケットを見せなさい』

『あんたが遅いから
チケット持ってる同行者はとっくに『入国済』だろうが』

って言いながら後ろを振り返ると既に誰も列の『後続』がいない

廻りも『yakuza』の入国トラブルとでも思っているのだろう
目を丸くして凝視…

とても『入国』させてくれそうに無いな…

残念ながら当時トムハンクスの『ターミナル』はまだ世に出ていない…
『空港生活』のマニュアルの術を知らない私は途方にくれた…



【場面変わらず するすると上手より見るからに偉そうな『異人』登場】


『別室か?』とおののく私を妙に優しくエスコート

どっかでカメラで見てのでしょうね
嘘のように外におっぽり出された…(入国出来たって事)

しかし最後までブンむくれていたあの美人審査官は…



皆さんも気をつけましょうね

万国共通  美人にはとげがある


(おいおい折角入国したのに今度は巡回の麻薬犬が私のバックにまぶり付いている…)


つづく