サトラレ

早朝から
我々のオフィスの掃除に勤しむ
結構なご年配の「おぢさま」は問答無用の「サトラレ」なのだ

まずは
恐ろしく耳が遠い。。

おはよ~ございま~す!
入室の際に元気なご挨拶を頂く訳だが
言葉で返してはいけない・・

はぁ・・?
耳の後ろに掌を添えて必ず聞き返す・・
だから口を動かすのでは無く
満面の笑顔を向けるのがコツなんである

然し
別部署ではこんな依頼をする人もいる

あっのっ~!
ここわぁ こんなふうにぃ お願いしたいんですけどぉ!

大声のメッセージにおぢさまは快諾
わかりやしたぁ! 今後その様に致します!
(けッ!そんな事できやしね~よ!)

実は最初の返答の後のカッコ内はホントは心の言葉
然しおぢさまは自分でも知らずに続けて言葉に出してしまう・・


お願いしたスタッフもサトラレたおぢさまも
互いに驚き目を丸くして見つめ合う・・

だからさぁ・・
補聴器は付けてた方が良いと思うんだけどさ.・・
私のアドバイスに女性スタッフが残念そうに答える
ご本人は
まだ全然大丈夫だと思ってるようでして・・

画して
人間の本質の「本音」が早朝のオフィスを制圧する

誰がやんだよ!

そんなの無理だよ!

サトラレが寝呆けたオフィスを引き締める

私?
あはっ これって結構好きだね
日本人の「曖昧」文化に「本音」は斬新でしょ
けれども私自身は満面の笑顔だけ

何故って?
だって私も日本人だもん
どう思われてるかはダイレクトに表明されたく無い・・よなぁ・・