もう
すっかり疲れ果てたであろう「夏」が
前線を引っ張ってくる

まだ秋雨とは言わせない

雄々しい
「夏らしさ」を見せきれなかった口惜しさを
まるで晴らすかの様に今夜も驟雨が降り注ぐ・・

ほんのりと煙った細い裏道

こんな晩は静かで暗い道がお気に入り

いきなり
自転車のライトに浮かび上がるのは
夏服の女子学生

こんな爺とニアミスしたのに
全く平然と暗闇に消えて行く・・

ホントかね?狸じゃあるまいね・・?


そう・・

こんな晩は何が起きても不思議じゃない

気が付いたら
雨はとっくに上がっていた

街灯の灯りが路面に反射してキラキラ光る

ふと・・
黒いシルエットが視界を遮る

音もなく
輝く路面に躍り出たモノがいる


ネコ?・・にしちゃデカイなぁ・・

たった数メートル前に目を凝らす

タヌキ?・・にしちゃ尻尾が長い・・

なんと全長は1mを優に超えている


「彼?」は
戸建の門の隙間を抜けようとしたがこれが儘ならない

覗き込む私と
逆戻りする「彼」とが鉢合わせになった


「タヌキ!?」「キツネ!?」

「彼」に向かって蕎麦屋のメニューを連呼した所で
身分を名乗ってくれる筈も無いのだが・・

「ムジナ!」

「彼」は返事の代りに一声威嚇すると
闇に消えて行った・・

むじな・・?

まさかね
ムジナは空想上の生き物だ・・っとすると・・?

頭に過ぎった生き物は・・

ハクビシン

そうだ!
あれはハクビシンだ!


netで検索すると
雄で全長1mを超えるそうで
今や全国津々浦々知らぬ人がいないと言う「脱走外来種

なにやら
星の観測や月食見物の際に
電線の上を行き来するのを見られて喝采を浴びるんだとか?
ハクビシンで画像検索)

然しまぁ

おとろしい生き物が跋扈するご時世ですな

(前出の夏服女子学生が遭遇したらどうなってただろ?)

ご注意召される様にご近所の知り合いに伝えたら

金網をよじ登っていたり

ホームセンターの園芸コーナーに座っていたり

もうとっくに何度も接近遭遇しているそうで

しかも真昼間

狂暴かどうかは知りませんが
夜道で遭遇したらそりゃブッタマゲル事請け合いですぜアニキ

まぁ諸兄方々

ご注意を・・