クレーム②

今度は弊社の話である
 
実はこちらが「本文」であって
前回のは「前振り」のつもりだった・・
 
 
弊社のKが係長に抜擢された時
社内は騒然となった
年齢的にはとっくに「圏内」なのだから
如何に普段の行動、言動の辻褄が合わないのかは
皆様のご推測の通り
 
まずは
部下達とその家族が悔やまれる・・
 
必ず撃沈する「駆逐艦」に乗ってしまったかのようですね・・
 
あいつマンション買ったばかりなのに・・   (合掌。。
 
 
然しどうしてKが抜擢されたのか?
 
実しやかな「抜擢理由」が聞こえて来るまでには
さしもの時間は懸からなかった・・
 
問題はその「理由」
 
クレーム処理が上手だからぁ!?
 
皆ぶっ魂蹴る
 
だって滑舌が悪くて
何度聞き直しても言っている内容は不明だし
指示している事だってとても「常人」の発令とは思えない・・
 
然し件の本人は既に「係長」なのだ
皆の大きく見開かれた眼(まなこ)にも当然気が付かず
席から立ち上がって何かを言い出したが・・意味不明
 
どうも「新任」のご挨拶らしいと「推測」した数人が辛うじて拍手する。。
 
 
う~ん・・先が思いやられるねぇ・・
 
・・・
 
或る晩の深夜の事
 
K係長が電話で懸命なやり取りを始めた
席の近かった私には一語一句が聞こえて来る
 
どうも数か月前からの因縁のクレームらしい
さ~て「本領発揮」見せて頂こうか・・
 
所が予想通りに
日本に帰化した外人だって
もっとコミュニケーションが取れるだろうが! ってな展開が続く
 
然しその後私は『神の技』を目の辺りにする事になる・・
(注 下記「標準語」へ翻訳済み)
 
 
「ですからぁ・・その件につきましては先程から・・」
 
(それはまだこちらは納得していないゾ
 
「だけど・・こうするって仰ったじゃないですかぁ・・」
 
(俺はそんな事一言も言ってない
 
「いや仰いましたってば・・」
 
(俺が言わなきゃ誰が言うんだ! 
 
「ですから私ですってば・・)
 
(?????)
 
「解りますかぁ?先程から私が何度も仰ってるじゃないですかぁ・・」
 
(・・・・・・・・・・)
 
 
・・・・
 
まぁ・・彼に罪は無い
こうして数か月に及ぶ「大クレーム」は一瞬で終息した
 
然し
 
毒を以て毒を制す
 
言葉が通じなきゃ諦めるしかないものね