頂いた『宝くじ』が一等

もう50年以上前の話
 
私が生まれた頃に母は麻布に住んでいた
 
ある日顔馴染みだった『宝くじ売り』の女性が
母に挨拶にやってきた
 
色々お世話になりましたがこの度・・・
(何をお世話したのか母から聞いていない)
 
辞めて田舎に帰るとのご挨拶
 
たまたま美容室へ出かける所だった母に
 
売れ残りですが・・
 
2枚の宝くじ
 
母は挨拶もそこそこ予約をいれた美容室へ
 
読んでいた週刊誌に貰った宝くじをはさんで帰宅してしまう
 
美容室から電話
 
忘れ物ですよ・・
 
次回の時にでも頂きます・・
 
件の美容室から緊張した再電話
 
当ってますよ!100万円
 
配分やお礼をどうしたのかは判らないが
 
母の話では2枚の宝くじをくれた女性の消息は結局不明だったと・・
 
母はその資金で麻布、新橋に会員制のバーを開業
 
王さんは底なしだったけど長島さんは弱かったネー
 
私の幼い頃の記憶は紫煙立ちこもるカウンターの止り木
著名人に抱っこされていた写真ばかり・・
 
私が話を聞いたのは既に母子家庭で貧乏だった時代
 
 
ただ春の夜の夢の如し