バブルの残照② MDさんの場合

最近行ってもいない釣りの事ばかり書いていた


たまには昔話


バブルの後半の頃
MDさんは私の不動産会社入社当時の店長だった

いつもブランド物をビッシリ身に着けていて
とっても羽振りが良さそうに見えた

以前からの知り合いだった事もあってすぐ仲良くなった

MDさんたら店長のくせに真面目に仕事をしない

肝臓が壊れているので酒は飲めない
趣味ははっきりストレートに『女性』

女性客を物件に案内する間に
『運命の出逢い』をひけらかして思い切り口説く

その都度『運命の出逢い』なのだから凄まじい事この上ない
(問題も多々発生し後日引責処分となる・・)

聞けば地上げで相当儲けたのだそうだ

バブル時期は買い手ばかりで売り手がいない
毎年千万単位で評価格が上がるのだ
めったに売り手は出てこない

そんな中で売り手を見つけると
銀行から融資を受けて一瞬だけ名義を変える
当然担保は『対象地所』だ

例えば4億の売りに1億乗っけて
売買成立直後に銀行へ利息を含めて完全返済
(数日だったら利息は10万円ちょっとね)

後は山分けである!

新宿駅の地下駐車場で
1億円を車のトランクを開けて手探りで山分け
(しかも札束の高さだけで!)

税務署対策に倒産予定の会社の領収書を使うのだ
(計画倒産用会社で当時は探せばいっぱいあった)

そんな事を繰り返していた!

MDさんはクラブの女性で墜ちなかった女は一人もいなかったと豪語する

食事に誘ったらまず服を買ってあげる・・

『ここからここまで全部ちょうだい』で300万円

ついでに靴も買ってあげるね・・で

『ここから・・』で同じく300万円

その日は呆然となっている女性とご飯を食べるだけですんなり帰る

次回は黙ってホテルへ直行
拒否された事は一回も無かったそうだ・・

相性が会わなかったらお付き合いは1回限り

常にその手で毎回数百万円を使っていたそうだ・・

お陰で私が出会って時は既にスッテンテン
娘の大学入学金が払えず四苦八苦していたのだ・・


最近も消息の噂を聞くことがあった

概ねこの先『野垂れ死に』へ順調に歩んでいるとの事・・


おっと・・儲けた訳ではないが人ごとではないな・・

くわばらクワバラ・・