本当に久方振りに渋谷へ行った
山手線の車窓から外を眺めているだけで目が回る
未開地から出て来て生まれて初めて電車に乗った様な気分になる
そういえばアフリカから来日して電車に乗った人の感想が
丸で当て嵌まる事を思い出してつい口角が上がる・・

心臓病じゃ無けりゃね・・

自身で都合良く理由を託けて自己満足を導き出す
そうでないとまた勝手に自律神経が暴走してしまう・・

悟られない様にしなきゃ・・

そう・・
今日は大手企業面接
本来だったらスーツ着用が常識なんだけど
電話での打ち合わせ段階で私服での登社を宣言して
相手方の採用担当者をびっくりさせた
(こういう事を世の中では強心臓と表現するようだが・・)
10年以上も着ていなきゃどんな良いスーツだって型が古くなったり
あちこちが変色したりするものだ
仕舞ってあったワイシャツやネクタイも経年劣化で清々しくないので
全部ぶん投げて捨ててしまった
金輪際スーツなんか着る事は無いと思っていたのもあるけどね・・

さてと渋谷到着
青学前のピーコック裏に住んで神宮前小学校へ通ってたし
高校時代は宮益坂の雑居ビルで雀荘のマネージャをやってたし・・
どんなに様相が変わろうが馴染みなのは変わり無いさ・・
強気な推測は一瞬に吹き飛んでしまう

既に彼の時代とは「空」の様相からして違う
ヒカリエみたいな高層ビルが視界を遮って
駅からすぐの筈の目的地周辺の見当が全く付かない・・
Googlemapを表示させても建設中のビルや各種工事現場が
丸で迷彩機能を発揮して私の自律神経を刺激する・・

ヤバい!私服の上に遅刻!

やっとオフィスに飛び込んだのは約束時間丁度だった

・・・

帰り路・・
懇意にしていた会社へ挨拶にでも寄ってみようかしらん?

折角の思い付きだったけど・・
馴染みだった筈なのに他人顔でそっぽを向く街には長居したくないな・・


然しまぁ・・外国人が増えたもんだね全く

雨でも傘を差さないのは欧米人

折り畳みの傘を嬉しそうに盛んに開いたり閉じたりするのは中国人

帰路途中の小さな横断歩道の信号機は赤
全く車が通らないのに外国人たちもじっと青信号を待っている・・

郷に入れば郷に従え・・か
渋谷駅の階段を上りながら独りほくそ笑んでしまう

乗り換え時に着信があった事に気が付く

上司が至急お会いしたいと・・

定年まで5年半か・・相手にとって不足無し

ちょっとは垢抜けたシニアになれるんだろうか・・