いこい

今とはご時世が違う頃の話
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小学校一年生の頃
母が私にお小遣いを賜る手段として「お使い」があった
そりゃ頂けるのはせいぜい銅貨の1~2枚だから
使い処も中々存在しない当時の事
度々「拒否権」を発動して母は角を生やした・・

小学校二年生の頃
仕事の関係で横須賀の外れに引っ越す
その頃から小遣い稼ぎはシビアになってくる

真っ暗になった頃に限って母の「いこい」が底を打つ
穴の開いていない磁石にくっつく50円玉と銅貨3枚程を握りしめて
魑魅魍魎が跋扈する暗闇に躍り出る・・
只々只管に600m先のお店を目指す・・ (さっきGoogleで検索)
途中の難関は街灯も無い闇の中尚黒々と口を開ける・・・紛いも無い
妖怪たちの住かである防空壕跡の連なりには決して目を向けず。。
かと言って右手には柵も無い真っ暗な川が轟々と・・

息も絶え絶え
お目当ての「店」に到着。。
ミッションをクリアしたら今度は往路が待っている

防空壕跡の其々の穴では
さっき泣き叫んで走り通ったちょっと太目の美味しそうなガキンチョが
またやって来るだろうと舌なめずり・・

川に落ちない様に
尚且つ防空壕跡の魑魅魍魎に引きずり込まれない様
往路も泣き叫んで爆走する・・ (足で

圧巻は台風直撃の晩
お手当弾むわよ~  (そりゃ生きて帰れたらだ!)
今晩は鳳凰の百円玉を託される・・
お釣りの50円はお小遣いである (生還したら)

暗闇に躍り出たら・・
いきなり足元をすくわれる
暴風圏に突入した暗闇はそれこそ魑魅魍魎どころでは無い
今晩は溢れる河川が恐ろしい

私は・・もう
それこそ特攻隊の如く「いこい」を買いに・・

・・・・

母子家庭の母が鬼となって父親代りを果たした・・
っと後年言っていましたっけ・・

けれど・・いまだに幽霊や暗闇怖いっす。。