クリスマスケーキ

高一の時のイブの晩
 
母が仕事先から大きなケーキを11個貰ってきた
取引先に差し上げる手筈に間違いが起こり
大盤振る舞いとなった次第・・
 
翌25日
飯の代わりに毎食ケーキ
深夜までに3個のデコケーキをやっつけた
 
26日
遊んで帰ってきたら食べ物が無い
やっぱりデコケーキと差し向かいになる・・
まだまだいけるぞ
 
27日
母親の『作為』の気配を感じる
やっぱり食い物がケーキしか無い
3日目にもなると食べ方に余裕が出てくる・・というか
ガツガツしなくなってくる・・
 
28日
味噌汁が飲みたい
ケーキを食べながらでも構わないから味噌汁が飲みたい
ケーキが無くなれば普通の食生活に戻れるとハタと気付く
友達に電話する
当然の如く、4日も経ったケーキなんぞ貰ってくれたりはしない
 
29日
母の仕事が忙しいのはよく分かる
然し私のライフラインは最早ケーキとなっている
残り3個ばかりか
ちょっとクリームなんかが固くなってきている
喉を通るスポンジがゴロゴロする
それでもお腹が減ると不思議に胃に下っていく・・
嗚呼・・生命の不思議よ
 
30日
多分幼い頃に
『死ぬほどケーキが食べたい』と思ったのを
サンタが叶えてくれたのかと思う
残り1個だ
 
31日
え~!ずっとケーキ食べてたの?
 
・・・・
親なんてそんなもんだ
息子がどんな生活をしてるかなんて
所詮深くなんか感じちゃいない
 
ごめ~ん じゃぁお餅食べなさいね!
 
・・・
 
かくして我が家は
今度は餅ばっかりの正月を迎える事になった・・