東京五輪

誘致成功おめでとう御座います
 
ご尽力を尽くされた方々の並々ならぬ努力に
心から感謝申上げると共に
災害復興に溢れる力と愛を注いで頂いた
各国の皆様への恩返しの一環として
せめてもの
日本人の一国民ならではのささやかな『民度up』に
尚一層留意し、努めて参りたいと思っております。。  (なんちて
 
 
思えば48年前
私の父は当時の『東京五輪』開催に心血を注ぎ
誘致が決定した頃には
既に病魔に侵されておりました
 
開催式の朝
母は全く落ち着きません
 
『国立競技場』行ってくるね・・
 
1人で留守番の私を気遣う余裕さえ無かった様子を憶えています
帰ってきた後も母は何も語ろうとはしません・・
 
『様子』をせがむ私に一言・・
 
キレイだったよ・・
 
・・・
 
母は入場行進なんか見に行ったんじゃ無い
万人の様に聖火に心奪われたりはしなかった・・
 
漠然と私が気が付いたのは
小学校高学年になってから
 
歓声に溢れる競技場で母はただ観衆と違う一点を見つめている・・
 
貴賓席に座る病魔に侵された私の父を・・
何年も会っていない『愛する人』をひっそりと
 
一年後
ある朝目が覚めると
母が声を殺して泣いていた
訝る私を外に追い出して母は1人で家にこもった
 
その日が『父』の命日となったのは
成人してから知る事となった
 
48年前の『東京五輪
開会式のチケットは相当なプレミアであったろう
国立競技場は人に溢れ
歓声はそれこそ百雷に及んだに違いない・・
 
人前に出る事さえ必ずしも積極的では無かった母が
どうして垂涎のプラチナチケットを持っていたのだろうか?
 
たった一枚なの・・ごめんね。。
 
チケットは父が?
 
ロマンチックな想像は推測の域を出ない。。
 
真実を知っているのは
既に鬼籍にいる父と母だけ・・
 
 
女の秘密は海の底より深い・・   by タイタニック